カツオにもっとも多く含まれる栄養素はタンパク質です。
タンパク質は私たちの体の筋肉を作る材料となるほか、エネルギー源としても利用される重要な栄養素です。
タンパク質を分解するとペプチドと呼ばれる成分になり、さらに分解するとアミノ酸になります。私たちの体内で合成できないアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼び、カツオはこれらの「必須アミノ酸」を多く含んでいるため、良質のタンパク資源として栄養価が高いといわれています。
アンセリンとカルノシンは、2個のアミノ酸が結合したジペプチドの一種です。
私たちの筋肉の中で作り出されるアミノ酸の一種で、マグロやアジなど他の魚種と比較しても、カツオに特に多く含まれています。
これらのジペプチドは、カツオが高速で遊泳する際に筋肉の疲労を和らげる作用をもつと考えられています。活性酸素を抑える働きがあり、老化防止や疲労軽減に有効であるという研究結果が報告されています。
ドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)は、魚類を含む海産生物に特有の脂肪酸で、特にカツオなどの青魚に多く含まれています。
どちらも私たちの体内では合成できないため、食べ物から摂取しなければならない脂肪酸です。これらの脂肪酸は、血液の流れを良くし、動脈硬化などの生活習慣病を予防するといわれています。DHAは脳の活性化や記憶力の向上につながり、EPAは血栓症を予防し、中性脂質を下げる効果があるといわれています。